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2013年10月27日日曜日

テューリンゲン、フリードリッヒローダへ その2

フリードリッヒローダの山のホテルから隣町にあるというお城に出かけるはずが、近所の散策となりました。
これまでは町の中へばかり出かけていたので、実は森の中へまだ行っていません。
せっかく森林浴に来たのに。

ホテルの駐車場を抜けるとすぐに森に入れます。
私たちが選んだのは最も短いコース、「Trimm-dich-Pfad(体を鍛えよう)」というちょっとした道具があるコースです。
道具といっても丸太を短くして立てただけとか平行棒とか、木を使って簡単に作ったものですけど。
看板では全部で25箇所ほど、距離にして2kmくらいあるようです。
子供たちは大喜びでチャレンジしていました。

でもけっこう壊れてたりして、なんだかあまり管理されていない感じ。
体を鍛える気はないので別に良いんですが、観光地なんだからこれくらい何とかしようよという気も。
腕立てコーナー。
息子はへっぴり腰、娘は1回もできず、妻は次の日筋肉痛。
娘はとても身体が柔らかいみたいですね。
コースの途中には何カ所か分かれ道があり、なんとなく進んでいるうちに「身体を鍛えようコース」から外れてしまったようでした。
地図の看板があっても記されている規模が大き過ぎて、まったくわかりませんでした。
大きく廻ってホテル方面に帰れればと、何となく戻る方面の道を選び、更に進みました。

落ち葉でいっぱいの道は歩きやすく、たくさんの色が混ざりあってとても気持ちが良かったです。
山道と言っても丘みたいなもんですね、ほとんど平坦で歩くのはとっても楽ちん。
時々針葉樹林帯がやって来て、景色も空気もガラッと変わるのが面白かったです。
途中から針葉樹林帯に。
空気がスッキリする感じがしました。
 針葉樹林の道は色が暗く寂しい感じ。
景色は広葉樹の雑木林の方が奇麗で面白いですね。
私はぼんやり景色を楽しみながら歩いていましたが、妻は違っていました。
なんと彼女はキノコを探していたんです。
季節からキノコがあるんじゃないかとは気にしていたようですが、まさか本当に見つかるとは思ってなかったそうです。
「たまたま下を見ていて偶然見つけ、近所を探したらけっこうあったから驚いた」なんて言ってました。

足が痛い私が一番後ろを歩いていたのですが、いつからか一番先頭になり、そして誰も付いて来ないのでどうしたんだろうと思っていたら、「キノコがあるよ!ママがキノコ見つけたよ!」と娘の興奮した声が。
毒キノコじゃないの?と訝しみつつ戻ってみると、確かに食べたことがあるキノコでした。
ママがよく庭の近所の自然公園で取って来ていたキノコと同じようです。
Steinpilz、日本名はヤマドリダケ、いわゆるポルチーニですね。
ポルチーニだと聞いたときは私も興奮しました。
「マジで?本当に?!」
家族でキノコ狩りになったのは言うまでもありません。
これは Maronen-Röhrling というキノコ。
ポルチーニとは違うようです。
頂上を目指す登山よりも、野鳥を見るための山歩きの方が好きだった私は、ただの散歩からキノコ探しになりモチベーションも一気に上がりました。
しかし、見つけたいキノコがどんな色形をしているのか良く知らないため、なかなか発見できません。
もろに毒キノコっていうのばかり眼につきます。
オレンジで白い点々のやつとか、白くてひょろひょろしてるやつとか、薄茶でべっとりしているやつとか。
カエルもいました。
最初の一つ目を見つけてからは楽になりました。
足の痛みも忘れ道に沿って森に入り、探しまくりました。
1時間半ほど探して歩き、どうやら完全にホテルとは違う方向に来ているような気がするなと感じ始めた頃、妻も同じように感じ不安になったようで、ちょっと不本意ではありますが来た道を戻ることにしました。
子供達も一緒じゃなくて足も怪我していなければ、そのまま行きましたけどね。
でも遭難ってそうやってするのかもしれません。

帰り道もキノコ探しは続き、袋がいっぱいになるほど採れました。
「キノコってけっこう簡単に採れるんじゃん」と思ってたら、こんなの普通じゃないんだそうです。
今まで何度もキノコ探しに出かけまったく採れなかったという妻が(ママと姉ばかり見つけれたそうです)、「本当にラッキーだよ、普通はこんなに見つからない」と力一杯言ってました。
そうかもしれませんね。
日本で山に行った時にキノコなんて採ったこと無かったし。
どれが食べれるキノコかわからないしね。
キノコを探すには落ち葉が少ない針葉樹林帯の方が楽でした。
迷わず来た道を戻り、ホテルへ帰って来ることができました。
3時間近く森を歩いていたようです。
ママに早速電話をして収穫を報告すると、驚いたと同時にとても喜び、来年は彼女も一緒に来る気になったそうです。

ドイツでは秋になると街にキノコ案内所がオープンします。
食べれる物か、毒のある種類じゃないか、調べてもらえるそうです。
森を歩くのが大好きなドイツの人たち、いろいろ見つけて事故が起きないような対策でしょうね。
来年の秋休みはキノコ狩り目的で再び来ることになるかも。

収穫したキノコはほとんどが Maronenpilz 、ニセイロガワリという種類でした。
日本名で聞くと食べれなさそうですがそんなことはありません。
ドイツ語では栗キノコです。
ポルチーニもありましたよ、ひとつだけですけど。
ポルチーニは栗キノコよりもっと固いようです。
ドイツ名も石キノコだし。

5日目の朝、いつもより早く起きて朝食をすませ、チェックアウト。

フリードリッヒローダ、ここにはもう来ないかなと思っていましたが、最後でとても楽しい体験ができたため、また来年も来ちゃうことになるかもしれません。
でもホテルは違うところにしたいかな。

帰りにハレへ寄り、ママの家に一泊してマグデブルグに戻りました。
ママの家で夕方テレビを見ていると、マグデブルグで大戦中の不発弾が見つかり、処理のため中央駅付近周囲800m、約17,000人が一時避難したそうです。
私たちのアパートはぎりぎり外れていたようですが、遅くまで騒がしかったと妻の同僚が言ってました。
ハレにいて正解だったかな。

ちょっとそういう雰囲気も味わいたかったけど。
爆弾は無事に処理できたそうです。

2013年10月26日土曜日

テューリンゲン、フリードリッヒローダへ その1

ザクセン=アンハルト州は今週秋休みです。
この秋休み、各州によって違うようですね。
そこで日曜から4泊5日でテューリンゲン地方のフリードリッヒローダという町に出かけて来ました。

テューリンゲン地方は森林が多く、美しいところが多いです。
今回の目的は森林浴。
紅葉の山道をトレッキング、ちょっとくらい運動しようという感じですね。
そしてこのフリードリッヒローダは昔から山歩きが好きな人たちがやってきた町のようです。
あちこちに宿泊できる宿がたくさんありました。
この家には「1837年7月22日に初めてのクアゲストがゴータから来た」と看板が出てます。指定文化財になってるのかな?

旧東ドイツ時代、テューリンゲンとオストゼー(バルト海)は人々が休みに出かける旅行先の代表だったそうです。
当時からの超大型大衆ホテルがあり、この時期には毎日ホテル内でいろいろなイベントが行われています。
Ahorn Berghotel Friedrichroda
私たち家族が泊まったのもこの巨大ホテル、しかも満員。
贅沢を言うわけじゃありませんが、私はダメでした。
とにかく人が多くてワサワサしているから、まったく落ち着けませんでした。
部屋の中はまあ何とか。
でも設備の古さが目立ってました。
シャワーだけで浴槽がなかったし、、、

しかし悪いことばかりでもありません。
大体子供たちは私が気になってたことなんかまったく問題ないようです。
プールに子供映画館、プレイルームなど刺激が一杯でドキドキしているようでした。
食事も朝夕と付いていたのですが、親切なコックさんが息子にはアレルギー対応の特別メニューを毎回作ってくれました。
これには本当に助かりました。
毎度のことですが、旅行先で食事は一番の問題になるんですね。
嬉しかったです、コックさんどうもありがとう。
部屋のベランダから見える風景
初日から近所を散策しました。
滞在中は天気も良く暖かかったのもラッキーでした。
明日は森の中に入ってみよう、森林浴を満喫しようと楽しみにして早寝しました。

しかし、、、
妻は仕事の疲れが一気に出たのか体調がいまいち優れず、頭痛と腹痛でつらそうです。
何となく風邪をひきそうで用心しようと思っていた私は、朝食を食べに行く途中の螺旋階段でサンダルがすべり、左足つま先を強打。
「ペキペキペキ」という音が聞こえました。
痛いのなんのって、冷や汗が出るほどでした。
「折れたか?」という不安と痛みを押さえ込み、食事中気分が悪くなりそうでしたが、あまり痛がってないようなふりをして食事を済ませ、何とか部屋まで戻り靴下を脱いでびっくり。
親指はパンパンに腫れ、内出血で真っ黒になっていました。
痛いはずです、、、

スタートとしては最悪。
親指に力を入れられないので普通に歩くのも大変な状態です。
にもかかわらず「とりあえず町に薬を買いに行こう」ということになりました。
安静にしてた方が良いんじゃないかと思ったのですが、最初に痛くなさそうにしたのが悪かったのか、誰も「部屋で休んでいていいよ」とは言ってくれませんでした。

ということで町へ。
ホテルが山の上にあるので行きはずっと下り坂。
つま先に体重がかかって痛いです。
それでも知らない所にくるのは楽しいですね、痛みも忘れて(なかったですけど)薬の他にも手造りのサラミや、この地域の蜂蜜、パンにフルーツ、子供たちの服などを買ったりしました。

 そして最後に飲み物を沢山(7リットル)買って、再びホテルへ。
何故こんなに重いリュックを背負っているのかと、問い続けながら坂道を上がりました。

ドイツというと何処も何となく針葉樹林ばかりな気がするのですが、この地域はヨーロッパでも最大級の広葉樹林地帯だそうで、樹々の葉は黄色やオレンジになり落ち葉もたくさん積もってました。
そしてこの落ち葉から出来る腐葉土の地層のためか、ここは美味しい水が出るようです。
ホテルの近所にも2カ所ほど水が飲める場所がありました。
朝から夕方までの何時間か、水が常に出しっ放しなっているようです。
水が高いドイツでこういう処もあるんですね。
とても柔らかくて美味しい水でした。
Trinkpavilion 水飲み場、犬はダメ

ホテルでは帰って来たお菓子やソーセージ、パンをつまみながら、夕飯までの時間を本を読んだり、手紙を書いたり、テレビを見たりして過ごしました。
妻と子供たちはプールにも行きました。
楽しんでいるようで、実はけっこう怒って帰って来たりもしてました。
泳ぐ練習をしているのを邪魔する悪ガキが居たんだそうです。
ドイツの子供たち、日本の子と比べるとみんなタフですよ。
こちらの保育園に半年ほど通った子供たちですが、娘は当初「みんな暴れん坊で嫌だ、日本の方が良い」となかなか保育園に行きたがりませんでした。

3日目も2日目と同じように過ごしてしまいました。
昨日買ったソーセージやサラミが美味しかったのでまた買いに行こうということになったのです。
テューリンゲンはソーセージでも有名ですね。

薬局で買った薬はホメオパシーの塗り薬、クリームでした。
ホメオパシーは希釈した毒や菌を摂り入れることにより、体の持つ自然治癒力を引き出して病気や怪我を治すという治療法です。
科学的につくられた薬と同じようにドイツでは普通に薬局で売られています。
薬局で相談したら薦められたようで、確かに一晩で黒紫色だったのが紫色になりました。
2日目では所々紫色のところがありますが、ほとんどは薄赤くなり、見た目の酷さはだいぶ良くなりました。
痛みもいくらかですが減りました。
ホメオパシー、効いているようです。
地味なデザイン
4日目こそは森を抜けて隣町にあるお城を見に行こうと、朝から気合いを入れていたのですが、妻がどこかから仕入れて来た情報によると、そのお城は荒廃が酷く十年前から閉鎖中なんだそうです。
残念、、、
ということで、ホテル近辺の森を散策することになりました。   (つづく)

2013年10月19日土曜日

ハレへ

先週はハレ市に出かけていました。
いつもは妻の実家や庭に行ってゆっくりして、時々街へ買い物って感じなんですが、今回は用事があったのでいろいろと出歩きました。
天気は雨ばかりで良くなかったのが残念でしたね。
赤い塔とマルクト教会

用事というのは、
*日本から仕事で来ていたお友達に会うこと。
*ハレ独日協会のイベントに出席すること。
*車の写真を撮って来ること。
という3つの件でした。

友人達とは、彼女達の仕事の合間を縫って会う感じだったので、あまりゆっくりできなかったのですが、それはまあ仕方ないですね。
しかしレストランに出かけたり買い物に付き合ったりして、短時間ながらも楽しく過ごせました。(ライプツィヒへコンサートにも行ったね)
おみやげもいっぱいもらっちゃったし!
自分が持って来る立場だったら超嫌だったんじゃないかと思う、、、
本当にありがとうございました。

ハレは妻の出身地ってことでもう何回も行ってるんですが、行くところは大体いつも同じです。
街の中心地、マルクトに行って近所をぶらぶら買い物とか、子供たちを連れて動物園とか。
観光とかあまりしたこと無いんですよね。
だからハレ市のこと、何回も行ってる割によく知りません。

ハレ出身の作曲家ヘンデルの記念館、ヘンデルハウスには2回行ったかな。
初めて行った時は何というか素朴だったけど、2度目に行った時はきれいになって、より記念館らしくなってました。
マルクト広場に建ってるヘンデル像
今度行く時は美術館とか博物館、教会とかを見学してこようと思っています。
コンサートもいいですね。
ハレではヘンデル音楽祭が6月に行われるんですが、今年は大雨による洪水のため11月に延期されました。
マルクトにはこんな素敵な広告が飾られていました。

外食もほとんどしたことないんですよ。
近くに家があるから外で食べる必要もないしね。
今回は一度だけ行ったことがある南ドイツ料理のお店に友人達と行きました。
私が食べたのは、3種類の豚のメダリオンとキノコソースのシュペッツェレ。
けっこう美味しかったです。
思い出したらまた食べたくなりました。

そして第2の用件である独日協会のイベント、ベルリンの日本大使館との共催で行われたお茶会(抹茶)に参加して来ました。
愛媛県から裏千家の先生がお弟子さん達と一緒にやって来られ、日本のお茶を紹介するという本格的なイベントでした。
日本の大使も夫婦でいっらしゃいました。
ハレ独日協会の会長さんは日本との交流をとても一生懸命やって来た人なんですが、この度その努力が在独日本大使に認められ、表彰されたんですねー。
おめでとうございます。
私も会長さんは良く知っている方なので、良かったですね。
素直に嬉しいです。

お茶会の方は家族(ママも入れて5人)で参加して来ました。
双子の子供たちは私の知らないところでお茶の先生方、おばさま達に可愛がられていたようで、「いっぱい写真を撮らせてもらいました」なんて後から言われました。
まあ、それも良かったですね。

そして3番目の用件の車の写真撮影。
これは先月ちょっとした縁で知り合った日本の女子大生(我が家がホストファミリーになったんです)に、頼まれたもの。
彼女は日本の某工科大学の生徒さんで、マグデブルグの大学に短期プログラムでやって来ました。
うちには2日ほど泊まっただけですが、とても楽しんでくれたようです。
そのときに話題になったのが、この車。
Trabant
旧東ドイツ製の車トラバント、通称トラビーです。
ボディが紙まじりのプラスチックだったり、排気ガスがひどくてうるさいけれど、ものすごく非力だったり、注文してから10年近く待たされるのが普通だったり、とにかく今の時代からは考えられない車のようです。
ママは壁が崩れる1ヶ月前に9年待ちで納車されたとかで、統一がもう少し早ければ「VW(フォルクスワーゲン)にしてたのに、、、」など、トラビーがどれほど酷かったかを女子大生に語っていました。

彼女は「是非本物が見たい」と言って帰って行きました。
その時、彼女とトラビーを見かけたら写真を撮っておくと約束したんです。
前は時々走ってる姿を見ましたが、最近はあまり見なくなってますからね。
そして写真のトラビーがいつもママの家の近所にいつも停まっているのを思い出したんです。
ということで撮ってきました。
日本にもトラビーのファンクラブがあるようです。
マニアはいるんですね、すごいな。
ちなみにママの庭には、何故か新品のフロントガラスが雨ざらしになってうっちゃられてます。
欲しがる人たちがいると思うんだけど、、、
日本のクラブに連絡してみるかな。

ママの部屋の窓から
今、外はどこも落ち葉だらけです。
ママのアパートから見える樹もきれいな黄色になってました。
今頃はもう散っちゃったかな。
私たちが借りてるクラインガーテンも、そろそろ掃除しに行かなければなりません。
久しぶりのハレ、久しぶりにやることがいっぱいで楽しかったです。


2013年10月16日水曜日

ゲヴァントハウス・オーケストラへ

先日、日本から仕事で来た友人達とライプツィヒにコンサートを聴きに行きました。
今回はゲヴァントハウス・オーケストラのブラームス・ツィクルスから、交響曲の1番とヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲を。

先月頭に来たばかりなのに再びゲヴァントハウスにやって来ました。
そして今回はオーケストラ。
興味はあってもなかなか行けないのが現実、チケットを取ってくれたお友達には感謝、ダンケ!です。

開演までライプツィヒをいろいろ見てまわろうかとも思ってたのですが、当日はあいにくの雨、しかも結構な降りでした。
ドイツは雨でも傘をさす人があまりいないのですが、さすがにその時は傘無しの人がいませんでした。
足下とかビチャビチャ、せっかくスーツ着て来たのに、、、

ということで、とりあえずニコライ教会で雨宿り。
この教会、東ドイツ時代に現行政府に対しての反対派組織の本拠地になってたという、熱い教会です。
ちょうどパイプオルガンの演奏をしていて、雨に濡れた嫌な気分とか、一瞬で忘れさせてもらいました。
こういったところ、さすがというか、やっぱりドイツなんですよね。
ニコライ教会
内部は薄いグリーンが印象的な優しい感じのする教会でした。
入り口からすぐの席に座ってパイプオルガンに聴き入ってたので、内部はよく見ませんでした。
見学はこの次ということで。

ライプツィヒに来て買いたかった物もあったんです。
それはお弁当箱、というかタッパー。
私の子供は食物アレルギーのため、学校で給食を食べられません。
毎日お弁当持参です。
このタッパー、前回ライプツィヒに来た時に立ち寄った店で妻が見つけ、その時に5つ買ったのですが、この5つというのがいけませんでした。

毎日子供たちが2つ、昼食のお弁当箱として使いますが、妻も使う時があるんです。
前の日の夕飯を詰めるだけなのですが、3人分を詰めるとなるとタッパーは後1個あった方が楽なんです。
夕方使用済みのタッパーを食洗機にぶち込み、洗ってもらってるあいだにお弁当を詰める。
これが理想的なのですが、1個足りないせいでその1つ分を手洗いしなければならない。
もしくは食洗機が止まるまで2時間くらい待つ。
タッパーの1つぐらい手洗いしろよと言われればそれまでなんですけど、、、
こうやって文章にすると本当に大したことないことなんですけれど、、、

ドイツのキッチンはシンクが基本的に小さいため、皿を洗うのに適していないんですね。
だいたい洗い方が日本とは違うんです。
こちらの洗い方、シンクにためたお湯に洗剤を溶き使用済みの皿等を入れ、スポンジとかでジャブジャブ汚れを落とします。
そしてそのまま水を切って乾燥する。
それでおしまい。

泡や残った洗剤をきれいな水で洗い流したりしません。
日本のように水を使うのはとても不経済と思われています。
ドイツは水がとても高いんですね。
洗剤も身体に影響が出ない量だし、今はまったく無害という洗剤もたくさん出ているので、そのような洗い方をしてもまったく問題がないそうですが、、、でも、ねぇ。

このように複雑な理由から、後ひとつそのタッパーがあればこの問題は簡単に解決することなので、今回どうしても買いたかったんですね。

タッパー?そんなのどこでも買えるんじゃ、、、
そのような疑問もあるかもしれませんが、そのタッパー、只のタッパーじゃありません。
電子レンジで温めても「有毒なガスが発生しない」というタッパーなんです。
他のタッパーからは有毒ガスが出てるのかも良く知らないのですが、そういった売りがある製品なので。
毎日のことですしね。
しかし残念ながらその商品、欲しいサイズが売り切れてました。
どこかで探すしかないようです。

夕食はゲーテが書いた「ファウスト」に登場するお店、アウエァーバッハスケラーでとりました。
この有名店、森鴎外も通ったそうです。
味の方はまあまあ、こってりのドイツ料理。
雰囲気はさすがに1525年から続いているそうで、とっても良いです。
お腹いっぱいになりました。

そしてやっとコンサート。
今回はブラームス・シリーズということで人気プログラムだったんでしょうね、ほぼ満席。
プログラムも売ってる席案内の女性に「最後の1つよ」と言われました。
私の席は指揮者の顔がよく見える、オケの右斜め後方でした。
指揮者はリッカルド・シャイー、ゲヴァントハウスのカペルマイスターです。
若干ソリスト達の音が聴こえづらいという感じもしましたが、ビジュアル的には楽しめました。

肝心の音楽はというと、、、
協奏曲の方は聴いたことがなかったのですが、とても楽しめました。
最後の楽章とか特に。
上手いソリスト達、良いオーケストラっていうのはすぐに感じました。

休憩を挟んで後半は交響曲の第1番。
テンポが速い!
それでも1楽章、2楽章と良い感じで盛り上がってきていました。
そして3楽章から休みなく4楽章に続き、ホルンのソロではぐーっとこみ上げて来るものがあったんですが、その後しばらくしてなんだか急に集中が切れてしまい、最後はなんだか置いてかれちゃったような感じでした。

「いつ終わるの」みたいに冷めちゃって、ちょっとというか、かなり残念でした。

ヴァイオリンのソロとかめちゃ美しかったし、オーボエとフルートも目立ってて面白かったんですが、なんか全体を通しての感動が足りなかった。
最終楽章はもう少しじっくりやってくれた方が自分には良かったかな。

しかし、ゲヴァントハウス・オーケストラの素晴らしさは体験できました。
シャイーが自分といまいち合わないってこともわかりました。
一緒に行ったお友達、フルート奏者で音楽の専門家なのですが、彼女も何か物足りなかったみたい。
演奏会後、感想で話が合ったのが嬉しかったです。
もう一人のお友達は時々気を失いかけてた様です。
仕事でお疲れのところにクラシック音楽、α波が脳に出まくってたんでしょうね。
ある意味とても幸せな、実に贅沢な体験です。
良かったね。

来月は地元マグデブルグで子供たちとバレエで「カルミナ・ブラーナ」を観に行く予定。
チケットも購入済みです。
せっかくドイツに住んでるんだから、身近な素晴らしい文化をなるべく体験しなくちゃね。



2013年10月6日日曜日

クーヘン

我が家は週末によくケーキを食べます。
必ずと言っていいほどですね。
ドイツでは、日曜日の午後はケーキを食べながらゆっくりお茶を飲むという習慣があるそうです。

しかし息子が卵&乳製品アレルギーのため、ほとんどの市販ケーキが食べれません。
街の中に数あるお店のケーキやデザートが、まずダメですね。
前はよく散歩がてらカフェに寄ってケーキを食べたりしたなー、なんかちょっと寂しいです。
日本にいた頃は甘味処でいくつか食べれる物があったのですが、こっちのデザートは生クリームやチーズ、卵を使っている物がほとんど。
自分たちだけ食べるのも何だかね。

そこで我が家はここ数年手造りケーキです。
ケーキ造りは妻がもともと好きなため、アレルギーがなくてもよく食べさせてもらってました。
ただ、アレルギー食材を使わずに作るのは、材料選びとか何だとかけっこう苦労したようです。
詳しくはわかりませんが。

しかし日々の努力と苦労した結果か、最近は味もあまり気にならないくらい美味しくできるようになりました。

そこで今回は今週末のケーキを紹介します。

Pflaumkuchen
昨日はプルーンのケーキでした。
市場で完熟の美味しそうなBIOプルーンを買って来たんだそうです。
ドイツで生プルーンを初めて食べた時は美味しくてびっくりしました。
プルーンは当たり外れがけっこうあるように思います。
虫もつきやすく、庭で樹から取って食べると中に芋虫が良く入っている物が多いです。
売られている物はまったく虫いませんねー、どうしてだと思う?

 生地の上にレモンの皮とコーンスターチを混ぜた豆乳ヨーグルトを乗せて、その上に半分に切ったプルーンを敷き詰めます。
シナモンと砂糖を振りかけてオーブンで焼きました。
ほのかに酸っぱく、かすかに苦みもあって美味しいケーキでした。
まだほんのり暖かかったこのケーキ、あっという間に食べちゃいました。

そして今日はリンゴのケーキ。
Apfelkuchen
いつの間にか焼き上がっていました。
リンゴが甘酸っぱく焼き上がってると嬉しいです。
もうすぐ3時のおやつタイム。
シナモンを少し入れてドリップしたコーヒーと一緒に食べることにします。

2013年10月5日土曜日

枝おろし

クラインガーテンを借りた時に、前の借主から「冬が来る前に果樹の枝おろしをしないとダメだよ」と言われました。
サワーチェリーとアンズの樹をまだやっていなかったんだそうです。
ここのところ良い天気が続いているので、暖かいうちにやってしまおうと、週末の午後は庭仕事です。
といってもそれほど暖かくはないんですけど。
サワーチェリーの樹
「伸び出している枝をバンバン切っていい」と言われたんですが、だからといって今までアンズもサクランボも育てたことなんかないし、バンバンっていったいどこまで?
と、そんなに思い切り良く切ることができませんでした。
おっかなびっくりやってると、通りすがりの庭メンバー(Gartenfreund /ガーテン友達というんだそうです)がいろいろとアドバイスをしてくれました。

ちなみにこのガーテン、入り口に鍵があるため庭を借りてるメンバー以外は入れないことになってます。
だからその中にいる人たちは基本的にみんな庭仲間、ガーテン友達ということになるんですね。
みんな出会った時は挨拶をするので、とてもアットホームな感じです。
その上私たちの庭はメインゲートの真ん前、必然的に多くのガーテン友達に見られる場所なんです。

「もう本当に思い切り切っちゃって良いんだよ」
「向こう側が見えるくらい少なくしちゃったって、春になれば新しい枝がまた生えてくるから大丈夫なんだ」
「内側に向いている枝は全部取る」んだそうです。

そしてみなさん「その樹を切ってて前の借主は足の骨折ったんだ、気をつけろよ」と言ってくれます。
その事故は大ニュースだったようですね。
たくさんのガーテン友達に気をつけるように言われました。

サワーチェリーを切りながら、「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」って言う言葉を思い出して、こんなに切っていいのかと考えていたんですが、こちらではそんなことはないみたいです。
日本では切り口が腐って桜が痛んだり、病気になると言われているようですが、病気の種類とかが違うんですかね。
寒いから変な菌とかつかないんでしょうか?
ここまで切っちゃいました。切り過ぎ?
しかし実際やり始めると、どんどん思い切り良くなるもんなんですよね。
どうせこんな高い所、手が届かなくて実がついても取れないし、とか思うと「ズバッ」といっちゃえ「ズバッ」と、、、と、結局すごく切ることになっちゃいました。
本当に大丈夫だったのかな。
切ってる間は「サクランボごめんよ、弱って病気になるなよ」と思いながら切ってましたけどね。

切り終えて若干不安になっている頃、前借主が通りかかり声をかけて来ました。
やっぱり気になってるんでしょうねー、30年も借りてた庭ですもん。
私たちが家族で庭仕事をしているのを見てとても嬉しそうでした。
すっかり枝の減ったサクランボの樹のことも「すごく良くできてるわ」と満足そうでした。
どうやら大丈夫そうな感じです。

その頃子供はせっせとハリネズミの家を作ってました。
どうやらこのガーテン地区にはたくさんのハリネズミがいるらしいです。
夏のあいだに子供も育ち、この時期には暖かい住処を探しているそうで良い場所があれば寝床にするんですって。
話を聞いた子供たちは興奮してダンボール箱に落ち葉を敷き詰め、上には切った枝をかぶせました。
ハリネズミはドイツ語で Igel / イーゲル、庭や畑の害虫やナメクジなんかを食べるので益獣とされています。
見た目も可愛いし。
ハリネズミの情報提供をしてくれた夫婦の庭には何匹かいるんですって。
そして「イーゲルハウスの前に置いておくと良いよ」と、猫の餌をくれました。
好きなんですって。
これはママの庭に住んでいるイーゲル

子供たちの作ったイーゲルハウス、はたしてイーゲルは来てくれるでしょうか。
楽しみです。

2013年10月3日木曜日

暖房器具

10月になったばかりですが、ドイツはすでに冬が来ているようです。
今朝7時過ぎの時点でベランダの温度計は5℃。
最低気温は2℃くらいだったんじゃないでしょうか。
ここのところ天気が良い日が続いているので、日中はそれでも18℃とか20℃近くまで上がりますが、それにしたって寒くなるのが早すぎるぞドイツ、、、

朝子供たちを学校に送るときなんか、本当につらいです。
ちなみに昨日はロンT2枚重ねに薄手の綿入りベスト、そして内側にフリースがついたマウンテンジャケットを着て出かけました。
もちろん帽子も。
こちらの人たちはあまり寒がらないのか、我慢しているのか、みんなけっこう薄着なんです。
ジャケットの前を開けている人たちなんか、下は薄地の綿セーターとかTシャツくらいしか着てなかったり、、、

「ダウンをインナーに着ていこうかな」と言って、妻に「今からそんなに寒がって冬本番が来たらどうするの!」としかられました。
ドイツの人たちにしてみれば、いまだ「秋」なんだそうです。
何故なら「青空がまだ見えるから。それに樹に葉っぱがまだ残ってるし、地面も凍ってないし、、、」。。。。

しかし、学校や会社では先月から暖房がつけられています。
部屋の中は何処も暖かかくて快適なんですよ。
冬はマイナス16℃とか恐ろしく冷え込むドイツですが、建物の中がどこでも暖かいため、家の中も寒い日本の方がかえって寒く感じます。
窓もすべて2枚ガラスですしね。


そこで今回は我が家の暖房を紹介します。
現在住んでるアパートの備え付けはガス暖房。
キッチンにあるメインスイッチをつけることで火が着き、暖かくなった水が各部屋に廻っていきます。
その温水を部屋に付いているストーブの取っ手型のスイッチで温度調整するという仕組みですね。
最近のアパートは地下室などに前部屋共通の大型ボイラーを設置していたりしますが、我が家は各住人が個人で管理するようです。

温度を調節するつまみ
この取っ手、現在雪の結晶マークみたいな所になっていますが、これは温度を最低限キープするポジション。
見えない左側に0もあります。
夜寝るときや外出時など、この位置にしてしておけば例え外がマイナス20℃とかになっても部屋の中の水が凍ることはありません。
冬に旅行などに出かける時も、この位置にしてしておきます。

そして暖かくしたい時には大きな数字の方へつまみを回します。
このつまみ、サーモスタッド内蔵で数字に合わせて温度を自動で調節してくれるんです。
簡単で便利。

本日ついに妻がメインスイッチを入れました。
常にある程度の温度をキープしておくことで建物の壁も暖まり、その都度暖めるよりも低燃費になるんだそうです。
また、部屋をあまりに寒くしすぎるとカビが発生する原因にもなるんだそうです。
燃費を気にして部屋をあまり暖かくしないのも、問題になるってことですね。

それと使用前にたまっていた埃を掃除しました。

このストーブ、なかに細かくフィンが付いていて埃がいっぱいたまります。
掃除機はノズルが太すぎて入らないため、掃除するのが大変です。
そんなストーブ掃除に便利なグッズがあるんですねー。
ワイヤーの先に毛がたくさんついたブラシです。
その毛が柔らかく、さわるととても気持ちいい。
これで準備はOK、いつでもストーブをつけれます。

10月まで我慢したガス暖房ですが、実は先週から夜だけ居間の暖房器具を使っていました。

暖炉です。
前の住人(実は現在のお隣さん)がどうしても欲しくて設置したものが、そのまま残っていたんです。
急に冷え込んだ夜、実験的につけてみようということになり、火をおこしたんですね。
それ以来ほぼ毎晩使ってます。
暖炉を使える日が来るのを、5月に引越して来た時から家族みんなが楽しみにしていたんです。
特に私たち夫婦ですが。
炎を見ると何か幸せな気分になってくるんですよねー、情緒不安定なんでしょうか。

妻も早いうちからいろいろ暖炉グッズを購入して準備していました。
amazon から薪や木屑を固めて作った燃料 (Holzbrikett)、それらの燃料を入れるカゴ、灰を入れるバケツにスコップ。
どれだけ楽しみにしていたかわかるでしょう?
薪、でかすぎ!

しかし薪30kgと木屑燃料が90kgが同時に届いた時は、はっきり言ってげっそりでしたね。
私たちの部屋は日本でいう3階。
一箱30kgで4回、計120kgの荷物を上げなければなりませんでした。
配達に来たDHLのお兄ちゃんは、「こんなに何買ったんだ?」とバンから重い箱を降ろす時に聞いて来ました。
つらかったー、筋肉痛が数日続きました。

届いた薪は最初に火をおこすにはでかすぎて毎回ちょっと苦労しますが、それでも良いですねー、暖炉。
時間を忘れて炎をぼんやり見入っちゃいます。
ちょっぴり優雅な気分にもなれるし。


部屋の中で長い時間過ごさなければならないドイツの冬、暖炉のおかげで楽しみにもなりました。
妻は燃料をまとめて500kg近く買おうかとか考えてるようですが、、、
誰が運ぶの?