庭のアヤメ、咲いてます。 |
ドイツに戻って来てからアッという間に時間が過ぎています。
もう一月ですね。
その間にいろいろなことがありました。
まず、ちょっと変な出来事を紹介します。
今月頭の頃ですね。
子供たちが毎朝小学校に通うのに路面電車・トラムを利用しているのですが、停留所に向かう途中、鉄道の高架がトンネルになっているところがあります。
線路が複線分しかないため短いトンネルなのですが、いつも暗くて短い分ランプもついていません。
危ないとまでは言えませんが、人通りもあまり多いところではないので、毎朝私が停留所まで子供たちを送って行くことになっています。
自転車は茶色のレーンを、本来なら反対方向に進まなければなりません。 バレエ教室に通う娘。 |
そのトンネルを超えたすぐのところから、私の胸くらいの壁がしばらく続き、壁の向こうは廃屋があります。
ドイツはけっこう廃屋がありますね。
あちこち廃屋を探しに出かけているわけじゃないので、ドイツ中のどこにでもあるのかどうかは知りませんが、うちの近所は多いです。
その壁が高台を作っているのですが、春になるといろいろな草がいっせいに伸び始め、手入れをしていないのがより一層目立つ感じになります。
その草が伸び始めた頃です。
普段なら草が茂り出してる荒れ地を目にしても、特に意識することなく通り過ぎるのですが、その日は違いました。
廃屋、昔は何の建物だったのでしょうか? ガラスは割られているところも多いです。 |
ちょうど私の目の高さ辺りの草の上に、見覚えのある布が置かれていました。
「うん?何か見たことがあるな、何だっけ?」と、足を止めずに眺めつつ考えていると、その布が何だったかを思い出しました。
前に日本で買って来た息子の下着、パンツだったんですね。
水色地に紺と赤のギンガムチェック、確かユニクロの3枚セットのうちの1つです。
まず思い浮かんだのは「何故ここに?」ということ。
「落としたのか? それで誰かがここに置いてくれたのかな?」
続いて「本当に息子のパンツか?」と。
疑問はいろいろあるのですが、我が家の洗濯物の環境を頭に描き、「まさか、、、似たような物が売ってるのかもね」とその日はそれ以上考えることをやめ、違うルート(朝の散歩です)でアパートに戻りました。
それから数日間、その場所に来る度に「やっぱり息子のパンツに良く似ているな」と気になりつつも、雑草の茂みに置かれて日々くったりしていくパンツを眺めるだけで通り過ぎていきました。
誰のかわからない使い古しのパンツなどを、手に取るようなことはできませんからね。
草が一気に伸びました。この状態なら見つけられなかったかも。 |
ある日、妻が小学校の近くにある会社の本部で会議があるため、「今日は自分が子供を送って行く」と子供たちと一緒に出掛けて行きました。
そして妻が仕事から帰って来ると、子供たちに聞かれないように声をひそめ、あの場所で息子の物らしいパンツを見たと言ってきたんですね。
「あ、やっぱり!ちょっと前に見かけて気になってたけど、まさかなと思ってた。」と答えると、彼女はすぐに子供の洋服ダンスを探しました。
「見当たらない。洗濯物入れにもない、、、」
我が家は洗い物を屋根裏に干しているため、鍵を持っているアパートの住人以外がそこに行けることはないはずなんですね。
「誰かがどうやってか盗んだのか? まさか、、、」
「男の子のパンツを、、、」
私たち二人が底知れぬ不安感におそわれたのは言うまでもありません。
その日はずっと何か気持ちの悪い物をまとったような感じがしつつ、いつもより早く寝ることになりました。
庭のサワーチェリー |
そして次の日の夕方、おそらくあの後「謎のパンツ」についていろいろ考えたであろう妻の、すごく説得力のある説が発表されました。
妻は、おそらく息子が横着をしてパンツとズボンを一緒に脱いだのが原因だろうと言いました。
ズボンの中に残されたパンツは、洗濯物カゴや洗濯機の中に入れられる間にいつしかズボンの足の部分に留まり、誰も気付かないまま洗濯機に入れられ、洗い終わって干す時にも落ちたりせず、中で乾いたのだろうと。
そしてそのようなパンツ入りのズボンを、そうとは気付かず回収し畳まれ、何も感じずに履いた息子が、通学途中に落としたのではないかと!
足をズボンに入れた時に何かあったら普通気がつくんじゃないか?とか、
その時気付かなくても、歩いている時に足首辺りからちょっとずつ出てくれば、いくら何でもわかるだろう?とか、
何か違和感があったはずじゃ?とか、
思うところはいろいろあるのですが、息子ならすごくあり得るなと、すごく納得してしまいました。
おそらく洗濯後に干したのも回収して干したのも私でしょうし、、、
まさかこんな説で一気に解決するとは思いませんでしたね。
しかし妻の説を聞かされた後、その説以外は考えられないと思っています。
何より、どこかの変態にマークされたんじゃないか、という不安感がなくなったのが良かったです。
チューリップも実はたくさん植えたあったようです。 咲くまでまったく気がつきませんでした。 |
それから更に数日後、放置されていた息子のかもしれない謎の男子用パンツは、忽然と姿を消しました。
誰か、もしくは清掃業者が片付けてくれたのかもしれません。
草は伸び放題になってますけど。
本当のことは何もわかっていません。
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