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2013年9月28日土曜日

ドーム

マグデブルグには有名な大聖堂があります。
名前もそのまんま Magdeburger Dom。
何でもドイツ最初のゴシック建築と言われているようです。(wiki参照)
とても見応えのあるこの大聖堂、時々行きたくなるお気に入りの場所です。
Magdeburger Dom
大き過ぎて写真に撮るのが難しい

そして昨日、再び出かけて来ました。
でも今回はちょっと特別。
普段は入れない塔に上がって来ました。
友人が父親の誕生日ということで企画したガイド付きの特別ツアーに、家族で参加させてもらったんです。

いやー、階段がキツかった。
全部で何段あったんでしょうか、私よりかなり年上のガイドさん、まったく問題なく上がってました。
一日何回くらい上り下りしているんだろう?
最も上のところは階段が螺旋状になって幅も狭く、眼が廻りそうでした。
お相撲さんはあがれないでしょうね。

しかし苦労をして上っただけの価値はある風景に、みんな大喜び。
一部高所恐怖症なメンバーもいたようです。
エルベ川
フンデルトヴァッサー・ハウス
天気が良かったためとてもきれいに景色が見えました。
この辺りは平野なんですね。


この大聖堂には神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世と妻のエディタが眠っています。
大戦時に街のほとんどを破壊されたマグデブルグですが、さすがに大聖堂は攻撃をされなかったようです。
私たちが入れてもらった上へ続く階段の部分は、4mの厚みにもなる壁に四方を守られていて最も強度がある部分のため、戦時中大聖堂にある宝物を壊されないように仕舞い、封印したんだそうです。
そしてその作業に関わった人たちが誰一人話を漏らさなかったため、侵攻して来たアメリカ軍も宝物を見つけることができず、奪われないで済んだそうです。
ふたたびその宝物が発見されたのは1952年、終戦から7年後のことでした。
エディタの棺? この写真は2012年9月撮影

鐘のある部屋にも入れてもらいました。
普段時報で鳴る鐘の他、クリスマスなど特別な時にしか鳴らない鐘もあるそうです。
太い材木の柱で鐘が支えられています。
建物の石材に直接鐘の振動が伝わると割れて来てしまうため、木で壁を作っていました。

鐘の部屋から降りて来た木の柱たちを壁のあちこちに置くことで、音を建物に伝える仕組みになっていました。

その柱のひとつに彫られた人物像
今回は大聖堂の上まで上がるだけでしたが、近いうちにもう一度行ってゆっくり見学してこようと思います。
階段を下りて外に出る頃には完全に膝が笑ってました。
もっと運動しなきゃダメですね。








2013年9月17日火曜日

選挙

今月の22日、選挙があります。
そのためちょっと前からあちこちに政党の看板が建てられてます。

小学校2年生の子供たちも「ママは何(政党)が良いの?」「〜が好きなんでしょ?」なんて質問を夕飯の時にしていました。
政党の名前なんて知ってるの、とちょっと驚きました。
小学校でも選挙の話とか子供同士でしているんでしょうか。

そういえばテレビの子供用番組でも、政治のニュースを時々目にします。
お笑い番組にも政治家をネタにしているコメディアンがけっこう出て来ます。
子供たちは私が思っている以上に詳しく知っているのかもしれませんね。
メルケル首相のことも、「アンゲラ」とかファーストネームで呼んでるし。

そのアンゲラ・メルケル首相、本日私たちの住む街にやって来ました。
このザクセン・アンハルト州は首相の政党、CDUの人気が低い地域らしいです。
何とか盛り上げたいんでしょうね。
何日も前からポスターで告知されていて、子供たちも何となく気になっていたようです。
「アンゲラ来るの?」、「マルクトにだよね?」、「見に行く?」
数日前から近所に建っている看板を見て、何度も聞かれました。

子供たちの通う小学校の帰り道沿いにマルクトがあるので、学校帰りにちょうど演説しているところが見れそうだと思ってましたが、昨日からママが来てくれていて、子供たちのお迎えもママが行ってくれたため私は家で留守番となりました。
きっと多くの人が集まったことでしょう。

子供たちは学校から帰ってくると開口一番、「アンゲラがマルクトでしゃべってたよ!」
「トラム(路面電車)からアンゲラ見えた!」
「こんな風に話してた!」と真似までしてました。
何故かちょっと興奮気味。
小学校2年生が政治家を見てこんなに盛り上がるなんて、、、
子供たちがアンゲラ、アンゲラと騒いだそうで、ママは路面電車でかなり恥ずかしかったようです。

若い人に政治への関心を持ってもらうという点で、ドイツの方が日本より上手くいってるみたいですね。

2013年9月10日火曜日

コンサート

久しぶりにライプツィヒに出かけて来ました。
クラシックのコンサートを聴きに行くためです。
ライプツィヒまでは電車に乗って1時間ちょっと、実は近いんですよね。
ライプツィヒ中央駅

今回聴きに行ったコンサートはピアノのデュオで、演奏者はマルタ・アルゲリッチとマウリツィオ・ヴァリナ。
このコンサート、地元のピアノメーカー、ブリュートナーがプロデュースしたコンサートで会場はゲヴァントハウスです。
Blüthner Classics という名前でいろいろと企画しているようですね。
ライプツィのブリュートナー・ショールーム
妻が先月ピアノを購入する際いろいろと調べているうちに、ブリュートナーのHPでこのコンサートを知ったみたい。
アルゲリッチは10数年前NHK交響楽団のベルリン公演で聴けるはずだったのですが、直前の病気とやらで急遽交代してしまい、聴くチャンスがありませんでした。
CDもショパンを一枚持ってただけで、それもほとんど聴いてないCDだったため、どんな演奏をする人なのか知りません。
才能のある美人ピアニストっていうくらいです。
「鍵盤の女王」と呼ばれるアルゲリッチの演奏、チャンスがあれば聴いてみたかったんですよね。
それと何よりブリュートナーのピアノの音が聴いてみたかったんです。
Gewandhaus Leipzig

プログラムはモーツアルト、ラフマニノフ、シューマン、リスト、ヴィトルト・ルトスワフスキ(詳しくはブリュートナーのホームページでどうぞ)。
知っている曲はありませんでした。
クラシック音楽は聴きくのは好きですが、詳しくないです。

ピアノデュオのコンサートも初めてでした。
最初は二人の奏者が作り出す緊張感で目眩に襲われそうでしたが、いつしか緊張するのも忘れるほど引き込まれました。
妻は静かなメロディーでの掛け合いで涙がこぼれたそうです。

席が一番上の後ろの方だったため奏者の顔の表情までは見えませんでしたが、真ん中よりちょっと左寄りという場所だったので全体はよく見えました。
70歳を過ぎてるアルゲリッチですが、すごい迫力、パワフルです。
ついつい眼で追っちゃいます。
彼女が時々印象的なフレーズを力強く弾いて、リズムを作っているというか、相手を引っ張ってるという印象でした。
弾き終わって挨拶をしているところなんかは、なんだかとても可愛らしい感じなんですけど。

アルゲリッチの演奏でお気に入りのピアノ曲、聴いてみたくなりました。
演奏が終わり夫婦共に少々興奮状態でゆっくり出口に向かっていると、何やらサイン会が行われる様子。
アルゲリッチほどの大物でもサイン会とかあるの?と思いつつ、そんな彼女を近くで見てみたいとやって来るのを待ちました。

アルゲリッチさん、歳をとっても奇麗というか、魅力的でしたね。
多少不機嫌そうだった感じがしないでもないですが、演奏後サイン会、お疲れだったでしょう。
大したもんだ。

ミュンヘン近郊に住んでいるという日本人のピアニストの方にも偶然声をかけられ、ちょっとした出会いもありました。
共演したマウリツィオさんと知り合いで招待されたそうです。
クラシック音楽といえばやっぱりドイツは本場。
日本から勉強や働くために来ている演奏家の方達が多いです。
ベルリンに住んでいた時に知り合った日本人も、半分は音楽家の人達でした。
演奏する側からの話をいろいろ教えてもらえたりして、とても面白かったですね。
今回の出会いも大切にしよう。

それから生で聴いたブリュートナーの音、なんて言ったらいいんでしょう。
とても暖かいというか、柔らかい感じのする音でした。
当たり前だけど我が家のブリュートナーとは全く違いました、、、

それでブリュートナー購入後日談。
あの後すぐに調律師に来てもらったんですが、上板を開け中を一目見て「ダメダこりゃ」と!
何でもピアノ線がいくつか途中で繋いであるようなところがあり、調律というレベルではどうにもできないんだそうです。
修理が必要とのこと。
それでもし完全にオーバーホールするといくらくらいかかるの?と気になる質問をしたところ、「おそらく3000〜5000ユーロくらいじゃないか」と、、、
妻はかなりショックを受けてましたね。

調律師は「ブリュートナーはとてもいいピアノだから本当に残念だけど、これはどうしようもない。こういうピアノはあげるって言われても、もらっちゃいけないピアノだ。」とも言ってました。
そんな酷い状態だったのかよ、、、
確かにミョーンとか変な音するし、鍵盤が重いとこと軽いとことあったりするし、何より古いから仕方ないなとは思ってましたが、、、

そして調律師が何もできないと帰ったその後、再びピアノを売ってくれたある村の合唱団責任者から「その後どうだ?」という連絡があったんです。
言うのは悪いんだけど、、、と妻が彼と調律の件を話すと、それは本当に申し訳ないことをした、お金を返しにそっちに行くからと、わざわざ返金に家まで来てくれたんです。
ということで、我家のピアノ、かかったのは運送費だけでもらったピアノとなりました。

今回のコンサート、おそらくブリュートナーが用意したのは最高の2台だったはず。
そのきらめく音色に近づけるべく、うちのボロさんもいつか修理をしてあげたいと思いました。

いずれにしても久しぶりのクラシックコンサート、文化的で良い夜でした。

2013年9月8日日曜日

ママの料理

外国で生活している日本人にとって、食事はけっこうというか、かなり大きな問題だと思います。
日本では簡単に手に入る食材や調味料が、なかなか買えないとか、まったく売ってないとか、何かと苦労している人達も多いのじゃないでしょうか。

私は毎日ご飯じゃないとダメというほどの日本食派ではないのですが、それでもドイツのスーパーで買える物で満足しているかというと、答えはNO、Neinですね。
もちろんこれは料理をする側、私のレパートリーの少なさ、アイデアの乏しさがそのまま不自由さに繋がっているので、けっしてドイツのスーパーが品薄と言ってるわけではありません。
しかし日本以上に食材が豊富ということもないです。

主に平日の料理担当の私にとっては、毎日の夕飯は頭を悩ませる課題です。
料理が趣味とかではないので、凝った料理は作る気がしません。
何より作れません。
必然的になるべく簡単に、一品で充分なおかず作りを目指す傾向になります。

よく知り合いから「普段何を食べているのか」と聞かれます。
日本のご飯は美味しいと思われているようで、みんな興味津々。
「適当」としか答えようがないのですが、こちらの人達からはおそらく謎の日本食とでも思われているのでしょう。
子供たちが毎日持って行くお弁当は、大抵前日の夕飯なので、月曜以外はほぼ私が作ったもの。
カレーやパスタなども頻繁に作りますが、それだって日本風。
何にでも醤油使っちゃてるし。
子供たちの話では、同級生たちも気になっているそうです。

日本ではレストランなどで外国の料理が普通に食べれますが、こちらでは和食は簡単に食べれません。
だからこちらの人は和食についてほとんど知りません。
食べれる和食は寿司くらいですね。
お寿司はとても人気のようです。
ちっとも美味しくない上に何より高くて、食べに行きたいとは思いませんけど。
やっぱり魚よりも肉の国ですからね。

どうせなら寿司よりも牛丼とか、カツ丼、親子丼なんかの方が、より簡単に日本人が納得する味で店を出せるような気がしますが、何故かそういう店は無いようです。
誰かやらないんでしょうか?(丼物にこだわりがあるわけじゃないですよ)

そんな主に肉食のドイツ料理、例えばどんなでしょうか?

日本人にとってのお米が、こちらではジャガイモ。
ママの料理にはかかせません。
これから茹でられるジャガイモたち。
妻は休日になるとキッチンに立ち、朝からいろいろ食事を作ります。
普段食べられないドイツ料理を食べるため、いや、ジャガイモを食べるためかな。
しかし彼女はドイツ人ですが、かなりの日本食通(美食家という意味ではありません)。
日本で買った料理本を見ながら、本格的な和食を料理し、味噌も手作りしているほどです。
先日借りた庭で日本の野菜を育てる計画も立てています。
結局休みの日にも和食を作る方が多いんですね。
和食は健康的ですし、、、

そんな我家ですが、やっぱり時々ドイツ料理が食卓に出ます。
ママが来た時とか、ママの家に行った時とかです。
典型的、伝統的なドイツ家庭料理ですね。
もちろんほとんど肉料理。

彼女自身「私は肉をそれほど食べない」とか言うのですが、作る料理はほぼ完全に肉料理。
ブタやウシ、鳥はもちろんですが、ガチョウや羊、ウサギなんかも使います。
そんなママの料理を時々紹介していこうと思います。

まずは最近ごちそうになったメニューを。
Hähnchen Braten mit Rotkohl und Kartoffeln

鳥の丸焼き、赤キャベツとジャガイモ添え。
キノコ、タマネギ、トマトなどを入れて作ったソースをかけて食べました。
鳥を丸ごとオーブンで焼くのですが、品質が良くないと肉がパサパサになり美味しくありません。
これはBIOの鳥だそうで、とてもジューシー、美味しかったです。

Gefüllte Paprikaschoten
こちらは肉詰めパプリカのトマトソースですね。
ちょっぴりハーブの利いた肉がパプリカと良くあって美味しいです。
パプリカも大きいので、2つも食べればお腹いっぱい。

Tafelspitz
これはターフェルシュピッツという、茹でた子牛の肉料理です。
西洋ワサビのソースで食べました。
独特の風味がある西洋ワサビが子供たちにとっては辛かったようで、いまいち不評でしたが、ちょうど良いアクセントになって美味しかったですよ。
肉のこってり感をすっきりさせるっていうのか、消化を助ける効果とかもありそう。

Grüne Bohnen im Speckmantel
 茹でたインゲン豆に豚のベーコン(ほとんど脂肪のもの)を巻いて焼いた料理です。
日本のアスパラベーコン巻きに似てますね。
焼いたベーコンからは脂がたくさん出てカリッとした歯ごたえになり、やわらかいインゲンとマッチしてとても美味しいです。
子供たちが大好き。

ママの作る料理は、私の貧弱な料理レベルでは思いもしない作り方や食材の使い方で驚きばっかりです。
ここは醤油だろうという場面でハーブをいっぱい使うとか、細かいところでいろいろと違うんですね。
言い方が変ですが、やっぱり異文化なんだと思わされます。
面白い!