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2015年7月28日火曜日

トルナード

この記事を書いている途中で日本旅行に突入してしまい、近所にWiFi環境がなかったためなかなかアップできませんでした。
ということで、以下は7月13日頃更新するつもりだった記事となります。


久しぶりにハレの庭へ出かけてきました。
広い庭でゆっくり本を読みながら、時々食べごろになってきたブルーベリーをつまんだり、子供たちとプールに入ったり、とても贅沢な休日を過ごしてきました。
恐ろしいほど暑かったせいで、夜は実に寝苦しかったのですが。

楽しい週末を満喫し、子供たちの学校も3年生の最後の週となりました。
今週終われば夏休みです。
夏休みに入るとすぐに日本へ旅行に出かけます。
私にとってはまたまた、子供たちにとっては1年振りの日本です。
子供たちもちょっぴり興奮気味。

そんな感じでスタートした週の火曜日のこと。
私たちの住むマグデブルグでは夕方になり、嵐に雷、そしてドシャブリの雨が長く続きました。
ガーテン友達の庭ではサクランボが途中の枝からボッキリ折れてしまったみたい。

実がいっぱいついていたのが逆に悪かったのかもしれませんね。
可哀想。

嵐も過ぎて静かになった夜の10時半頃、ママから電話がありました。
庭が竜巻にやられてエライことになったらしいと、、、

庭の近所に住む友人からママのところに連絡があり、庭のある村全域で竜巻による被害が出ているというんですね。
樹がすごくたくさん折れたり倒れたりして、道が通れなくなっているため消防隊が出ているとか。
ママの庭も見に行ってくれたそうなのですが、それはもう大変なことになっていると、、、

水曜日、ザクセン-アンハルト州のテレビでもニュースになっていました。
早朝から庭へ出かけたママはかなりショックを受けて帰ってきました。
庭にある19本の樹が壊れたんだそうです。
更に倒れた樹が小屋の屋根の上に載っかっていたり、樹の下敷きになって多くの植物がやられていると。
その他にも、小屋のテラスの屋根が吹き飛ばされ、トランポリンが行方不明。
2つあったプールの1つもどこかに飛んで行ってしまったらしいと。

長い年月をかけて作り上げてきた庭が、一瞬でボロボロになってしまったんですね。
天災って本当におそろしいです。

ということで木曜日、大事な仕事があって休めない妻にかわって私がハレに行くことになったのでした。
保険が使えるかもしれないので、記録としての写真を撮って欲しいとのこと。
なにより一人で心細かったでしょう。
子供たちが学校に出かけるよりも早く出かけることにしました。

バスの停留所側にて。折れてますねー。

ハレ駅からトラムに乗り、更にバスに乗り換え庭へ行きます。
庭の最寄り停留所まで行かないバスだったのですが、便数が少ない路線のため次を待たず歩くことにしました。


あちこちでバキバキに折れてました。
昨日のうちに道路を塞いでいる樹や枝などは消防隊などによって切られていたようで、道は問題なく通れるようになってました。


庭のある村に入るとすぐ、倒れた樹が屋根に載っている家が、、、
おそろしいです。
どんだけ大きな竜巻だったんでしょうか?
ものすごい力ですね。


ママの庭に入ってすぐ、お隣さんの樹の折れた枝(5m以上)が入り口を塞ぐように横たわっていました。

そして庭を見て言葉をなくしました。 
高さのある樹はほとんど全てやられていました。


入り口の近くにある高い樹は根から倒され、先は小屋の屋根に載っています。
こんなのどうやって降ろせば良いんでしょうか?


この木の下には日本から持ち帰ったモクレンがあるとのことで、後から救出作業になりました。

毎年美味しくいただいたクルミの樹も根ごと倒れていました。
近所を見て回ったのですが、どこの庭もクルミとかナッツ系の樹はぶっ倒れてましたね。
もっとしっかり根を張っている樹かと思っていたのですが、どうやらそうでもなかったみたいです。
クルミ、倒れてます。

テラスの屋根、全壊。
物置、落ちて来た枝に潰されて壊れてます。

この樹も根っこから倒れ、ベンチを壊してます。
私にとって被災直後の現場に来たのは今回が初めてのことでした。
もしこれが自分の住む家だったらと思うと、どれだけショックを受けるんでしょうか。
あまりの滅茶苦茶さに何から手を付けて良いかわからない程です。
言葉もでません。

ママと朝ご飯を食べながら、これからどうするかを話し合いました。
庭を手放すことも考えてるそうです。
何十年も大事に育てて作ってきた自慢の庭が、家に帰って数時間後に無惨な姿に変わってしまったのですから、ママの落ち込みははかりしれません。
倒木の下敷きになっているママのお気に入りの植物を、とりあえず救出する作業をすることにしました。
その間ママはなんとか残ったブルーベリーの収穫をすることに。

しばらく働いた後、近所をちょっと見てまわることにしました。
ザーレ川の近くにある家の屋根が吹き飛ばされ、バラバラに散らばっていました。
軽く200mは飛ばされてますね。
凄まじい威力。


折れた木の片付けをしていた老夫婦の話では、旦那さんが当時小屋に居たそうで、たった3分間の出来事だったんですって。
竜巻なんて未だかつてなかった、本当に参ったと言ってました。

数年前から自分で家を建てている知り合いは、今回の竜巻で屋根の部分に敷いてある防水シートと煙突を吹き飛ばされてしまっていました。

屋根の雨樋が木の上の方に引っかかってます。
倒れた木はこのように細かく切っていくんですね。

ママに被害を説明する知人。彼の庭を目にしたときは私も涙が出そうになりました。

今回の竜巻でママはかなり凹んでます。
当然ですよね、何十年も育てて作り上げた庭が壊滅状態ですからね。
後片付けもどうやって進めていくか、いろいろと頭を悩ましています。
保険がどこまで利くのか、後日保険会社の人が被害状況を見に来ることになっていますが、辺り一面皆被害が出ているので遅くなりそうとのこと。

来週末は妻が手伝いに行くことになっています。
妻と子供たちは私が撮ってきた写真を見て泣いていました。

「日陰を作ってくれる樹がすべて倒れてしまった、今年の夏は暑すぎてここでは過ごせない、、、」
夏休みに家族ゆっくり庭で過ごすのを楽しみにしていたのに。
実をいっぱいつけていたベリーたちもほとんど駄目になってしまいました。
今年は後片付けの夏休みになりそうです。



2015年7月2日木曜日

ブリュートナー、修理決定

我が家のブリュートナー、修理をすることとなりました!
先日、ピアノ運搬業者が来て工房の方へ持って行ってくれました。

今回の修理、けっこうなお金がかかります。
もちろん新品を買うよりは全然安いのですけど。

昨年、ブリュートナーも扱っている修理職人さんと連絡を取り、実際どのような状態なのか見に来てもらったことがあったんですね。
その時職人さんに「これなら修理すれば直る」と言われてたんです。
そしてかかる費用もざっとですが教えてもらってました。
マグデブルグの近郊で修理工房をやってる女性のマイスター。お父様も職人さんだったそうです。


そんなわけで、前から「車を買う」か「ピアノを直す」かの、どちらにお金を使うかで迷っていたんですね。
今うちで一番車を欲しがっているのはおそらく子供たち、2番目はきっと妻でしょう。
学校に送迎してもらいたいって理由だけだと思います、、、
妻は庭の畑のために、土やら道具やら時々車じゃないと運べない物を買いにいきますからね。
私はどうせ運転手だし、右側通行も面倒そうだし、いまいち消極的だったりします。
前に運転した時ついつい反対車線を走りそうになって、助手席の友人を何度もビビらせました。
車は欲しいですけどね、BMWの小さいのとか、、、



結果的に、より文化的な生活を目指そうということで、ピアノのオーバーホールを決定。
子供の同級生のお母さんに車で送ってもらった時、その話をしたらどういうわけか非常に喜んでくれて「素晴らしい判断だわ、車が必要な時はいつでも言って!」と、言われました。
文化を守るチョイスに感動したのかもしれません。
ちなみにそのお母さん、旦那さんも共にお医者さん。


女性職人さんは、こういった古いピアノのしかも良いメーカーの物は絶対に捨てちゃいけない、と言ってました。
結果的にかかったのは運送費だけだったので(過去記事)、ただでもらっちゃったような我が家のブリュートナー。
失敗だった?という思いもチラリとはあったため、彼女の話は胸に沁みました。
古い楽器にはその楽器しか出せない味わい深い音があるんだそうです。
良い音が出るように直してもらわないとね。

誰よりも何より彼女自身が直したくてしょうがないように感じましたけど。
半年振りくらいの再会となりましたが、私たちの決定をすごく喜んでいました。
仕事が入ったことの喜びもそうでしょうけれど、本当にピアノが好きなんでしょうね。
どういった行程で直していくのか、見てみたいです。
いつでも見学OKと言ってくれました。


取りにきてくれたピアノ運送屋さん達は、うちの古いのを見て「これ捨てるの?」と聞いてきました。
妻が「直すんだよ」と答えると、「それじゃまたここに戻すのか」とちょっとガッカリな様子。
大変だもんね運ぶの、次は階段上りだし。


運送さん達の話だと、昔に作られた古いピアノの方が現代のよりもずっと重いんだそうです。
とくにスタンウェイだとかブリュートナーだとか、有名メーカーの物はアップライトでも小さいグランドピアノ並みの重さなんだとか。
そこで少しでも軽くするためにと、外せるパーツは外して運ばれて行きました。



仕上がってくるのは9月終わりくらいになるのかな。
しばらくお別れです。


子供たちが楽器を習っているのため、実際ピアノは毎日チューニングに使っているんですね。
特にホルンを習ってる息子が。
でも今までは本当にピアノの音が正しいのか怪しい状態でした。
絶対に狂ってたと思います。

大体3ヶ月くらいかかるという話しでしたが、どんな風に戻ってくるのか今から楽しみでしょうがありません。

そういえば、現在我が家で一番ピアノを使っている息子の演奏発表会が、先週老人介護センターにて行われました。
音楽学校で同じ部屋を使っている2人の先生(ホルンとトロンボーン)のクラスの発表会です。

スペイン人の先生、若くて親切、息子も大好きみたい。
トロンボーンの先生と生徒さん達がオープニングの演奏をしました。
息子が一番小さかったのかな?
会場の介護センターに向かう時からガッチガッチに緊張していました。
見てるこっちまで疲れそうな程です。
演奏の方は上手くいきました。
本人は「2回(音を外して)失敗した」と悔しそうでしたが、大したミスじゃなかったと思います。
先生にも「小さなことだったからまったく問題なかったよ、すごく良く吹けてた」と褒められてました。

音楽学校ではちょこちょこと演奏会を開くことによって、人前で演奏することになれる訓練をしてるんですって。
でもこういった会場は今回が初めてでした。
ご老人達にとってはどうだったんでしょうか?
ほぼ無反応な感じでしたけど、、、

週末には娘のバレエ発表会がありました。
こちらの方は街のオペラハウスで2日間3回のの公演です。
前回ほぼ満員だったようですから、大したもんですね。
こういうの我が家はいつもチケットを購入するのが遅いんですよね。
今回は2階席の後から4列目でした。


娘達のグループは傘を使って踊りました。
前回と比べると足の動かし方とか、バレエらしくなってきたと思います。
習っているのはクラシックバレエのクラスです。
でも
写真で見ると、あまり揃ってないね。


今回は縦に並んだり、傘をさされて影になったり、あまり良く写真が撮れませんでした。
悔しいです。
娘はトゥシューズに憧れてるみたい


今回初めて公演を最後まで観ましたが、おそらく市営なバレエ教室の発表会ということで、いろいろな年齢層、それこそママさん達のフラメンコまでありました。
子供たちの学校の英語の先生もバレエで出てらっしゃいました。
でもほぼ女性ですね。
男性は3、4人しかいなかったんじゃないでしょうか。

9月からは私再びドイツ語学校に通うこととなりました。
これから先、こっちで不自由なく生活するためには「絶対に」必要なことなんだ!そうです、、、
私のインチキなドイツ語がどれくらいのレベルなのか、先日語学学校へ行ってテストを受けてきましたよ。
どんなクラスからのスタートになるかは、後ほど連絡をくれるそうです。
個人的には初心者クラスから参加したかったんですけど。
今、ドイツもシリアとかからの難民問題で、空きがなかなかないんだそうです。
私のように滞在許可証は持っていて、ドイツ語を習いにくるのは珍しいケースなんですって。
そういえばみんな滞在のビザが欲しくて、語学学校に通うんですもんね。
まあ、ゆっくりやろうと思います。