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2015年11月20日金曜日

ブリュートナーの修理、完了

夏に修理のため職人さんのところに預けていた我が家のブリュートナー、先日「もうすぐできるから、工房に見に来るか?」との連絡をもらいました。
工房はマグデブルグ近郊の村にあるため、職人さんがわざわざ迎えにきてくれました。

預けた時には9月中には出来上がるなんて話だったのですが、もう11月の半ば過ぎですね。
なんでも夏に体調を崩して、一月近く仕事にならなかったんですって。
我が家はまったく気にしてなかったのですけれど。
遅くなってゴメンねと謝ってくれました。

職人さんの家は祖父の代からピアノ修理の職人家族で、彼女が3代目。
数年前に同じくスタインウェイの職人をしていた旦那様を亡くし、現在は一人でやっているそうで、大きな物を動かす時なんかにちょっと寂しくなっちゃうんですって。
なんか全体的に奇麗になってます
話を聞いていると、仕事というよりもピアノを直すのが大好きで仕方ないという感じの職人さんでした。
ピアノという楽器と弾く以外で深く関わっている人なんですね。
我が家のブリュートナーも、彼女にとってはいろいろ大変なところがあったようで、そのぶん思い入れもかなり強いみたいなんですね。
ものすごく気に入ってもらったようです。
車で工房に向かう道中、
「もし良かったら私の持っているブリュートナーと取り替えないか?」
みたいなことを言われたんですね。
どんだけ気に入ってるんだよって話ですが、我が家のブリュートナーってそんなに魅力的だったっけ?

何といっても1887年製なので古いことは古いですね。
おそらく創業者のユリウスさんが現役で作ってた頃のものでしょうね。
JULIUS BLÜTNER, LEIPZIG
1865年から1881年までにもらった賞が記されていますね。

工房はさすが古そうなピアノがたくさん置いてありました。
でもほとんどが修理途中というか、彼女の可愛いコレクションのようです。
古いピアノのコレクター?
自分で直せるんだから、ゆっくり楽しめますよね。
ピアノ線を叩くフエルト部分は新しく交換
金属部分も磨いてくれたようです。
ピカピカ。大変だったろうに、、、

我が家のピアノは過去に水害の被害にあったんじゃないかと言ってました。
詳しい話はちょっと判らないのですが、土台の木に痛んでいる部分があるため、なかなかしっかり固定できず途中で何度も諦めそうになったんですって。
結果的に上手くできたそうなのですが、その部分がいずれまた緩んでくる心配があるんだそうです。
もしそうなっておかしいなと思ったら、無料で前述した彼女のブリュートナーといつでも取り替えてくれるんですって。
中の仕組み部分だけ見てるとそんなに古い感じもしませんね。

そこまで言われるなら、もうすぐに取り替えちゃっても良いんじゃないとか私としては思っちゃうんですけど、何故か子供たちは「え〜っ」と、そのありがたい提案に否定的でした。
そんなに気に入ってたんだ、あのブリュートナー、、、
一番右のピアノが彼女のブリュートナー。
手前の小さなグランドピアノはスタインウェイでした。

職人さんのモデルは1915年製だそうで、うちのと比べると多少新しいですね。
それでも100年前のピアノです。
楽器としての程度でいうとこちらの方が全然良いそうなので、やっぱり職人さんマニアだね。
ピアノの見た目も、色で言えば妻の部屋の雰囲気によりマッチすると思いましたけど。
前板にもアールヌーボーな装飾とか彫られてたし、自分としてはこっちの方が好きかなー、、、

職人さんの話を聞いていて、昔お世話になっていた車の修理工場の社長を思い出しました。
自分で直せちゃうもんだから、車が壊れるってことが特に問題とは思ってないみたいなんですよね。
話をしているとどうも壊れやすい車ばっかり好きみたいでしたし。
馬鹿な子程可愛い的な何かがあるんでしょうかね?
かなり古そうなスタインウェイ、装飾が可愛らしいです。
もうどうにもならないみたいですけど、、、

きっと我が家のブリュートナーも彼女にとっては、「いつ壊れるか解らない危なっかしくて、側に置いておかなきゃいけない子」って感じなのかもしれません。
壊れたらいつでも取り替えてあげるよなんて、ピアノの話をしているんじゃないみたいですけど、、、
無造作に置いてありますね、、、

そういうわけで、我が家のピアノ、どうやら完成したみたい。
試しに子供たちと妻が弾いたのですが、しっかりしたピアノの音でした。
まったく上手く言えませんけど、修理に出す前はギャンギャンした軽い感じの音だったと思います。
そして近々帰って来る予定。
家だとどんな音に聴こえるんでしょうか?
楽しみになってきました。

2015年11月1日日曜日

秋休み

先週はザクセン・アンハルト地方、秋休みでした。
といっても、休みになるのは幼稚園や小中学校の学生達だけです。
子供たちはオーマに連れられて、先々週のうちにハレへ行きました。
大学は休みじゃなかったみたいですね。
もちろん、語学学校も平常通りです。

語学学校のクラスでは、前々から「秋休みはどうなるのか?」というのが生徒達の間で話題になっていました。
そこで、まだ小さな子どもがいるイラク人のクラスメイトが学校のボスに質問をいました。
「君たちのクラスに休みはないよ。いつもの通り授業があるからきちんと出てくるように。」
という答え。
みんな残念がっていましたが、仕方ありません。

ということで秋休みの月曜日、語学学校へ向かう途中の道路で、クラスメイトのシリア人男性2人とポルトガル人の女性が学校の方から戻ってくるのに出会いました。
「どうしたの?」と尋ねると、3人とも満面の笑みを浮かべ、
「今日は授業ないよ!秋休みなんだよ!!」と。
私と同い年のシリア人、学校前に設置されている喫煙所で先生と思われる「でかい男性」から言われたんですって。

そして後からやって来た喫煙仲間の2人にもそのことを告げ、それじゃあと、帰ることにしたんだそうです。
その途中私に出会ったみたいですね。
でも何で先週末に先生は何も言わなかったんだろう、と疑問に思いつつも、私も家に帰りました。
面と向かって「お前らの言ってることなんか信じられないね」とは言えませんもんね。

語学学校は家から徒歩10分弱の近所なので、戻ってきた時にはまだ妻が家に残っていました。
秋休みらしいということを告げると、いつまでなんだろう?と妻が学校に連絡してくれました。
すると電話に出た事務の人(ボスだったようです)が「授業はあるよ。君の旦那さん、さっき見かけたけど」と。
いや、私、家にいるんですけど。
一体誰を見たんだよ、、、

それはともかく、やっぱりガセネタだった秋休み情報。
やる気はかなりダウンしていたのですが、再び学校へと向かいました。
教室に入ると、生徒の数は6人だけ。
アラブ人は1人しか来ていませんでした。
緊急アラブ連絡網でデマ情報が流れたのかも。

クラスで遅れた理由の説明をすると、一人だけいたイラク人が「自分は君が彼らと話した後、戻って行くところを見た。」と。
じゃあ何で声かけないんだよ、、、

その週、アラブ人達は水曜からやってきました。
みんな「彼から電話がかかってきて〜」だって。
私も学校、ちゃんと通ってますよ。

こうして私の秋休みは木曜からスタート。
水曜の夜にハレに出かけ、ママ、子供たちと合流。
木曜の朝、再びテューリンゲン地方、フリードリッヒローダへと出かけました。
前回キノコ狩りが思った以上に楽しかったので、ママも連れてまた行こうってことになったんですね。
しかしホテルはグレードをアップしました。
前回の大衆宿場的なホテルはもうこりごり。
ちょっぴり贅沢しちゃいました。
泊まったのは4つ星、ラマダ・ホテルです。
壁にフリードリッヒローダへようこそって描かれています。
1日目は街を軽く散策。
2年振りのフリードリッヒローダ、ほとんど変わっていませんでした。
ちょっと道路がキレイになったところがあったかな。
足の親指を痛めた時に薬を買った薬局が改装中でした。
それと養蜂家のお店が改装されてました。
妻はこの蜜蜂ショップでいろいろ買ってました。
蜂蜜はもちろん、手造り蜜蝋キャンドルセット、プロポリス入り喉飴、蜜蝋リップクリームなどなど。
一昨年、手造りサラミを買った八百屋。ソーセージやサラミも売ってます。
ホテルは朝夕食事付きだったのですが、どれもけっこう美味しかったですね。
特に金曜日の夕食、テューリンゲン地方のメニューは良かったー。
鹿肉のシチュー、コケモモのコンポット添えとか、テューリンガー焼きソーセージとか、ズルツェ / Sülze (お肉とピクルスやパプリカなんかを混ぜた煮こごりです)も酸味がきいていて良い味でした。
金曜の夕食には尾頭付きの蒸しサーモンが4匹も出てました。
私は食べなかったけど。
バイキングタイプだったので、あっというまに骨だけになってました。
みんなお魚けっこう好きみたいですね。

2日目から本格的にキノコ狩り。
記憶をたよりに森に入ります。

アップダウンがあまりきつくないため散策も楽です。
日本だとキノコ狩りといえば山に入る印象があるのですが、こちらの森は比較的平坦なので、樹海に入るみたいな感じでしょうか。
青木ヶ原樹海とか実際に入ったことありませんけど。
それ程広大でもないため、特に迷う心配もありません。

ホテルの裏手にすぐ森への散歩道、2kmコースとか4kmコースとかがあるのですが、そのコースに入ってすぐママがキノコを見つけました。
どうやら小道からちょっと脇にそれて森に入るくらいのところに、多く生えてる感じですね。
あんまり中に入ってもないようです。
陽当たりの関係なんですかね?
それとも奥の方はイノシシとか鹿とか、森の動物が食べちゃうからでしょうか?
ところどころ土がほじくられているところがあったりするので、動物達も何かを探しているようです。
散策中
それから、落葉樹のところよりも針葉樹のところの方が、キノコ達も生えてる感じがしました。
針葉樹の多いところの方が見つけやすかっただけかもしれませんけど。
それにしても、あるはあるは!
こんな感じで生えてます。Maronen-Röhring ニセイロガワリ

傘の下がしっかり固い物が良いそうです。
半分以上が育ち過ぎて柔らかくなり過ぎてたり、ナメクジに食べられちゃってたり、芋虫みたいなのがわいてたり、カビが生えちゃってたりしてダメなのですが、こんなに簡単に採れちゃうもんなの?と思うくらいの収穫でした。
今回はキノコ通のママが一緒なので、これはまだ大丈夫かどうか、全てママに集められていましたね。
Steinpilz、ポルチーニもいくつか穫れました。
フランス料理で有名な高級品トリュフも、実はけっこう生えてるんですって。
ただ、土の中に生えてるため、探す訓練をされた豚とか犬を持ってないと、見つけられないため、取れないらしいです。
そういった番組がこちらのテレビでやってたらしいですよ。

毒キノコもいっぱい生えてます。
食べると死んじゃうくらい強い毒もあるそうなので、知識がないと危ないですよね。
最近シリアからの難民が、採って食べたキノコで亡くなったというニュースもあったようです。
何でもかんでも食べれると思ってたんでしょうかね?
これは猛毒のキノコだそうです。もしかしたら Grüner Knollenblätterpilz ってやつかも。

森の中は苔が一面に生えていて、とても美しいところがたくさんありました。
ガーテンにある池の周りを苔だらけにしたかった私にとっては、キノコと一緒に苔も持ち帰りたかったです。
地面が苔でフカフカでした。

3時間くらい歩き回るとけっこう疲れますね。
記憶も曖昧で途中間違えたりもしましたが、それでもそこら中にキノコ達は生えているようで、2日間で6〜7kgくらい採れたんじゃないでしょうか。
キノコ狩り、病み付きになりそう。

空気の良い森の中をたっぷり歩き回った後、ホテルのプールで泳いじゃったりして、すっかり健康的な休みを過ごした気になっていたのですが、ホテルの食事を食べ過ぎていたたのか、しっかり太って帰ってきたようです。
すでに秋休みから一週間たつのですが、未だにお腹周りが張ってる感じがあります。
なんで?
筋肉痛は治まったけど。

秋休みのキノコ狩り旅行。
いやー、楽しかったー。
来年はどうするんでしょう?